家には見えぬ場所が無ければ無いだけ嬉しい私。
それはオープン収納万歳!っていうことではなくて…こまごまとしたものが幾重にも重なって見えない場所をなくしたいということ。
狭くて手の届きにくいところをなくしたいということ。
私が掃除をしたくない場所っていつでもこういうこまごまとしたところ、狭くて手の届きにくいところ。
これは面倒であるということもあるし、汚れが目に見えないから放置しがちだということもあるけれど、私の一番の理由は「怖い」というのが一番の理由。
昨日Netflixで『レイチェルのパリの小さなキッチン』を見ました。
パリの小さなアパルトマンの小さなキッチンでおいしそうな料理を作るレイチェル。
パリの街並みも、パリの食に対する姿勢にも、もちろん料理にもうっとり。
ただ1つ「うっ」って思ってしまったのが、モノの多さ。
壁にも泡だて器や調味料などがどっさりかかって、冷蔵庫の中もぎっちりで…
ちょっぴりドキッとしました。
こんな小さなキッチンで、夜はレストランとして料理をふるまっているので、モノが増えるのはある程度しょうがないのでしょうが…圧倒されました。
実は私、振り返ってみれば今よりも昔の方がずっとずっと物を持っていたけれど、壁一面に物をかけまくったことはなかったなぁと。
何故かというとやっぱり「怖い」のだと思います。
壁に物を吊るして、壁を見えなくすれば、そこに何が潜んでいるかわかりません。
壁につるした鍋をとった瞬間にその裏に隠れていた虫と遭遇するかもしれないのです。
TVの裏のコードがたくさんあってごちゃごちゃしているところに手を突っ込んで掃除すれば、何か会いたくない生物と手が触れるかもしれません。
それが怖くて怖くて…そういう場所は掃除頻度が落ちるのです。
だからレイチェルのキッチンもちょっとだけ「うっ」と思ってしまった。
ベッドの下やソファーの下は毎日何の抵抗もなく掃除できています。
それはベッドやソファーの周囲に家具もなく、壁にべた付けでもないから、家具の下ががらーんと開いているから。
少しかがめば全貌が確認でき、「何もいない」というのが明らかだから。
我が家の靴箱はなぜか宙に浮いている仕様なのだけど…その靴箱の下の暗闇は一番の恐怖場所。
靴箱で全く光が入らないし、玄関という外との境界線にある場所だしで、全く見えない場所。
だから何かいるんじゃないかとビビりながら掃除しています。
戸棚の中にモノを収納することには何も抵抗ないけれど、戸棚の中がぎっちりだとちょっぴり怖い。
すべて同じ形の段ボールがぎっちり詰まっている分にはあまり怖くない。
だって隙間がないから隠れている可能性も低い。
けれど、いろんな形のものがごちゃごちゃあれば…「これをどかしたら何か出てくるかも…」とそんな風に思っちゃう。
これだけがらーんな家でも先日は窓を閉めた瞬間、どでかい虫が目の前にいて・・かなりびっくりした。
夫が気付かないうちに私の後ろにいて急に話しかけるのもびっくりする。
つまり、虫が苦手ということに加えて、私はこのどっきりびっくりにとっても弱い。
急に大きな音で電話が鳴るのも苦手。
心臓が止まるかと思う位びっくりしちゃう。
だから、こういうもの影(ごちゃごちゃとした小物の裏や狭くて暗い隙間)から物をとったり、掃除をしようとしたりして虫と遭遇するのは…「急などっきりびっくり」であり、苦手な「虫」であるWパンチ。
先日少しずつ家ががらーんになりつつあるという話をしましたが、がらーんになって気づいたのはこういう「怖い場所」が減ったこと。
がらーんにして気持ちよく過ごせるのは、よく「モノから発せられる無言の圧力がないから」、「知らず知らずのうちに目にする情報が少ないから」と言われます。
もちろんそうなのでしょうが、私にとって一番良かったのは、無駄な不安が減ったこと。
掃除をするとき、リビングでくつろぐとき…あの陰に潜んでいるかもしれない、さささっと何かが出てくるかもしれないとドキドキしなくて済むようになったことなのでした。