Netflixで『タイニーハウス~大きなアメリカの極端に小さな家~』という番組が公開開始しました。
この番組1度見たことがあって(多分この去年BS日テレで放送されていたものをみた)、本当に小さな小さな家に驚くべき仕掛けを次々施して、極端に小さな家なのにそれほど狭さを感じない家に出来上がるのを興味津々で見ました。
そんな番組がネットフリックスでも始まると知り、早速視聴。
1シーズン7話一気に見ました。
実家から自立しようと実家の庭にタイニーハウスを建てる若者、子供が巣立った後の老後の生活をタイニーハウスで過ごす夫婦、経済的にタイニーハウスに行きつく人や、自らの生活を変えるためにタイニーハウスに住もうとする人など事情は様々。
シンプル、ミニマルライフをおくっている人が見れば、多くの点で「いいな!」「こんな暮らしがしたい!」と思える番組かと思っていたのですが…
1シーズン見終わった感想としては…「私のスタイルではないな」というのが正直な感想。
簡素な暮らしを目指し、モノはなるべく少なく身軽にというのが私の考えですが、タイニーハウスは全然羨ましいとは思わず・・・( ;∀;)
去年夫と一緒にTVで見た時は、「すごい!こんなにミニマルに過ごせるのか!!」と驚き、もしそういう暮らしができたなら、一度やってみるのもいいなと思っていたのですが…今回は全然そんな気持ちは湧きあがらず。
むしろ微妙と思う点がいろいろありました。
やはり去年もシンプル、ミニマル、簡素な暮らしを目指していたけれど、まだまだ自分のことがわかっていなかった。
何でもシンプルなこと、ミニマルなこと、簡素なことが良いと思っていたのではないかな?
なんでもモノが少なければいい、白色であればいい、無印であればいいみたいな(笑)
けれど、今は真っ白な空間よりも私は時に派手なアクセントが好きなこと、優雅な時間を過ごせるティーカップは手放せないこと、実はあまり無印が最高!とは思っていないことに気付いている。
これは良い、悪いではなく、ただただ自分の趣味嗜好の話です。
つまり、去年よりも自分の好きなこと、嫌いなことがよりはっきりしてきたということ。
そんな目でタイニーハウスを見れば…いろいろ気づく自分と合わないところ。
例えばお掃除。
タイニーハウスに住む多くの人が、狭くなって掃除が楽になったと言います。
たしかに、家は狭ければ狭いほど掃除する範囲も狭く、楽です。
けれど…私は細かいところの掃除が苦手です。
トイレの床のお掃除や、TVの裏、洗濯機の横の隙間…そんな細かいところ、手の届きにくいところのお掃除は、やっぱり負担になってしまう。
タイニーハウスは見たところかなり狭い。
狭い中に家具もある。
だから床に何かをこぼしたとして、その拭き掃除をするのに、多くの場所が、トイレの床掃除のように、TVの裏の掃除のように、細かな場所。
それならば、1LDKくらいの広さは確保して、サーッと何もない床を…広い床面をササッと掃き掃除した方が楽。
そして収納。
タイニーハウスは、その狭さゆえ機能性の高い収納が必須です。
デッドスペースを食品庫としたり、靴を収納するはしご型の収納を作ったり、依頼人が楽器をするなら、防音扉にもなる棚を作る。
だから…生活にぴったりフィットした、オリジナルの家だからこそあれ程狭くても窮屈に感じにくく、過ごしやすいのです。
けれど、汎用性の高さでは微妙なところ。
私なんかは飽き性ですから、その時楽器が好きでも、1年後、2年後まで続いているかわからない。
その時ははしごいっぱいにかけるヒールを持っていても、1,2足スニーカーがあればいい生活になってしまうかもしれない。
そうなってしまえば、防音室にある楽器専用の収納はもう使えないし、はしご型の靴収納も使いにくい。
小さな子供のいる若い夫婦は、子供が大きくなったら、やはりタイニーハウスでは狭すぎると思うし。
そんなことで、個人的にはタイニーハウス…は憧れないかな。
これは個人の好き嫌いの問題で、どっちがいいとか悪いとかはない。
ファッションでも同じ問いをよく見るのですが、結局はいつも自分にとって新しいものを持っていたいのか、古くなってくる味わいも好きになれるかの違いだと思います。
プチプラ着倒し派と高いものを長く着る派のどっちが良いか、賃貸もしくは安い家を状況によって住み替えるか、お金がかかっても持ち家に長く住むのが良いのか…そういう問題は、自分が所有する時間が短い方が好きか、長い方が好きかのどちらか。
迷うのは、私も含め多くの人が短い方が好き!長い方が好き!と言いきれない、何方かと言えばこっちかなというグレーゾーンにいるからだし、家でも服でもお金と時間という問題があるからなんだか複雑な問題になってくるのです。
私は…どちらかと言えば買うものは多少高くてもお気に入りのモノを、その代わり手をかけて手入れして、使いつくす。
そんな生活が好きです。
そう思えば、どうしてもタイニーハウスは長い間住める家とは思えない。
賃貸と同じように、ライフスタイルに応じて気軽に住み替えていくものに見えてしまう。
だからかも。
タイニーハウスに憧れないのは、掃除のしにくさや○○専用の収納の多さではなく…私のスタイルに合わなかった。
ただそれだけなのかもしれない。
私たちは転勤の可能性もあるし、まだまだ暮らしの中で試行錯誤している段階で、まだこんな家に住みたい!という願望がはっきりしていません。
そんな段階ならば、まだまだ賃貸で充分なのかもしれません。