以前、宿題のように断念本を読んでいるという話をしましたが…
先日ついに2冊目を読み終わりました。
いいぞいいぞ!いいペース!
けれどこの2冊を読み終わる間に、断念本以外の本は8冊程度読んでるという事実(笑)
でも、夫とこの断念本の取り組みについて話していて気づきが一つ。
夫はね…相性の悪い本もたまには読んだほうがいいという主張なんです。
理由は、相性の悪い本こそ気づきや発見があったりするからって。
たしかに・・。
以前何かの本で読んだのですが。
人間というのは面白いもので、同じ話を聞いていても自分のききたいことしか聞いてないんだそうです。
それを知った時、なるほどと思いました。
話していて、どんなに詳しく話しても、丁寧に違う言い回しをしてみても、わかりやすいように考えて話してみても、全く話が通じないという時があります。
日々生活していると、相手は話を聞いてくれているし、適度に相槌を打ってくれているけれど、「でも本当に言いたいこと伝わってるかな?」と心配になったり、「うんうん。その通りよね」と肯定してくれるのに、次に会ったときにはそんな会話なかったかのような振舞だったり、本当に忘れてしまっていたり。
実は来年生まれる我が子は、女の子と言われております。
それを聞いて母は、私が生まれた時に祖母が買ってくれたひな人形を譲ると言っています。
いや、なんなら男の子か女の子かわからぬ前から、子供ができる前から、結婚する前から、将来あなたの子が女の子ならひな人形持って行ってねと言います。
そして、そのたびに私はその申し出を辞退しています。
というのも、そのひな人形はお内裏様とお雛様の2体だけなのですが、段々飾りではないのですが、我が家の押し入れに収納するとしたら、上段の3分の2はひな人形で埋め尽くされるだろうというような大物なのです。
実家では床の間に飾っていますが、我が家には飾る場所はありませんし、今以上に大きな家に引っ越す予定もありません。
それどころか海外転勤だって可能性ありなので、そんな大きなものを持っていられないのです。
その理由もしっかり説明して、何度辞退したことか。
そのたびに、そうか~そうよね。海外にはどうせ持って行けないしね。等と言ってくれるのですが、未だに「来年生まれたら3月にすぐひな祭りだね!ひな人形いつ送ったらいいかしら?」なんて何度も断られていることなんてすっかり忘れたかのように尋ねてきます。
びっくりするほど善意100%で質問してくるわけです。
何度断わったと思ってるんだ!と私はがっかりして、またも同じように懇切丁寧に必要ない旨を伝えるのですが、また来年になったら忘れているんだろうな。
それって多分、話をしているその瞬間から…その人(この場合は母)にとって聞きたい話ではなかったということなんだと思います。
どんなに正論だったとしても、私にとっては重要な会話だったとしても、その人にとって聞きたくない話は耳から音として入るだけで、全然脳まで届いていない。
ただの雑音と同じです。
だからなんとなく反応して「うんうん」とか「そうね」「わかるー」なんて適当な相槌をしつつ、脳の中では全く会話の内容を考えてはいないわけですね。
でも先日断念本は、相性の悪い本!とズバッと切ってしまったけれど、これも同じかもしれない。
自分にとって読みにくい話だから、ついつい目で文字を追っているだけになって、全く脳で考えていない状態。
けれど、そうやって自分に耳ざわりの良い、読みざわりの良い?話ばかり、聞いたり、読んだりしていると、夫の言うように自分が考えもつかなかったことには出会えないのかもしれません。
ひな人形がない人生というのを考えられないのかもしれません。
でも世の中にはひな人形なしでも幸せに生きている人はたくさんいるし、ひな人形を飾るという素敵な側面とともに、大きな家でなければ収納を圧迫したり、定住しないのであれば引っ越し費用がかさむというデメリットも思いつかないのかもしれません。
つまり自分と相性の良い本を読んだり、自分と同じ意見の人ばかり聞いてばかりいると、自分の欲する考え、知識ばかりになってしまって、そこには新しい気づきや、意外な発見は少ないかもしれない。
そうすれば脳は柔軟性を失い、そんな日々を続けるにつれ、いつの間にか人の話を一切受け入れられない頑固ばあさんになってしまうだろう。
母が頑固ばあさんという意味ではありませんよ(笑)
けれど、ひな人形については「ひな人形のない人生」を受け入れられないようです。
そう思えば、相性の悪い本もたまには真剣に取り組んだ方がよさそうです。
ちょっぴり難しくても、読みにくくても少し頑張って読んでみる。
たまにはそういうのも必要なのかも。
ましてや、読む前から「これは読んでも難しそうだな」「途中で断念しそうだな」と食わず嫌いしていると、そんな新しい発見、気づきには絶対に出会えない。
ずっと長い間断念したままの本を、ただただ持ち続けるのはやっぱり反対だけれど、だからといって、読む前から「これは私には合わない」とは決めないようにしたいものです。
むずかしいですね。
でも…そうならないためにも図書館通いは続けたいなと思っています。
図書館は本当に面白い。
私はめったに本の予約などはしません。
図書館へ行って、ぐるーっと本棚の間を回って、一期一会の本の出会いを楽しみます。
ライフスタイル系が多いとかそういう傾向はあるものの、すべての棚を見て回るので、ふといつもは読まない演劇の欄に大泉洋さんのエッセイを見つけて、読んでみるととっても面白かったり。
ちょっぴり難しそうな絵の本や古典の解説書も読んでみると面白く、一層美術館で絵を見るのが楽しくなりました。
最近は、本もネットで買う人が多いのでしょうが、本屋さん、図書館で本を選ぶだけでいつもとは違う発見がある本に出会えたりします。
しかも図書館なら、万が一断念してしまっても本が家にたまることもない(笑)
図書館っていいですよね。