【旅のこぼれこぼれ】衣を繕う、食事を作る、住居を整える

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刺し子をチクチク刺していて、最近思い出すことがあります。
それは、南米を旅していた頃各地にあったお土産屋さん。

お土産屋の前では、店主と思しき人がただひたすらに次の作品を作っているのです。
大観光地では、どこかから仕入れた商品を売りに来る人もいるのですが、店を営みながら、自分の手でセーターを縫ったり、生地を縫い合わせて小物にしたりという手仕事オンリーのお店も多かったな。
日本では、こういう手仕事のものはとても高く、正に職人の仕事なのですが、向こうでは生きていくために、母が、妻が、祖母が手を使って、モノを作り出しているのです。
店の前でセーターを編んでいる人が着ているのは、まさにそこで売っているようなセーターです。
彼女たちは勿論お金を得るためにせっせと編んでいるのですが、それ以前に生きるためにその技術を身に着けたのではないかなと思います。
母から子へ「寒くなったからセーターを編みましょうね。」という感じに生活の必要な技術として代々伝わっていったのだと。

私が今勉強中の刺し子は、布の補強や、保温のためのものだそうです。
最近人気のダーニングも穴の開いた布の補修です。

「刺し子」は、布の補強や保温のための針仕事です。物が豊かではなかった頃、家族とその生活を支えるため、女たちの手の中で育まれてきました。その日の家仕事が済み、家族が寝静まってから刺す。

『母から娘へ伝えられた針仕事 嫁入り道具の花ふきん教室』

昔は世界中どこの地域でも、衣、食、住の大切な仕事を自分たちの手でしていたのだなと思います。

洋服を作れる人は少なくとも、毎日洗って、干して、ほころびを見つけたら補修して。
野菜やお肉を育てるところからはできなくても、献立を考えて、調理して、片付け。
家の隅々まで、雑巾やたわしで掃除。
今は、毎日洗濯しているといっても洗濯から乾燥まで機械がやってくれて、ほころびたら捨てるという人もおおい。
まだ外に干す作業をやってる人は多くても、もう手洗いは少数派。
食事も外食や中食ばっかりという人も結構多い。
家で自炊していても、すでに味の決まったたれを使ったり、あとは揚げるだけの冷凍食品を多用していたり。
掃除だって、最近はお掃除ロボットが水拭きまでしてくれる。

私も洗濯機は使うし、掃除機も使う、たまには冷凍食品だって使う。
だからそれらがすべて悪いと言う訳ではないけれど、なんだか生活の基礎の部分をすっぽり抜け落ちて、人任せ、機械任せにして、その空いた時間で何をしているのだろうという気持ちになる。

衣類を繕うのは、私にはまだまだハードルの高い家仕事なのだけど、それでもほころびたパジャマを繕ってみた。
見た目は全然よろしくないけれど、着心地抜群で、補修したからまだまだ使えそうだし、なんだか愛着もある。
食事は大したものは作れずとも、家で食べる食事の方が飽きにくく、体調もいい。
外食や中食が続くと、便秘になりがち、肌荒れしがち、太りがち。
掃除も掃除機で掃除するよりも、雑巾持って家を磨いていく方が心もすっきりきれいになる気がするのは私だけ?

何でもかんでも外注すれば、機械に任せれば、とても効率的で、時間の節約にもなるけれど、意外とめんどくさい、嫌いだと思っている家事も心を込めてやり続ければ、満足感がある。

南米で見たお土産屋さんよりも時間的にも物質的にも、経済的にも豊かなはずなのに、いっつもニュースは悲しい事件ばかりで、幸せを感じない人も多い世の中なのは、もしかしたらこういう基礎的な…生きるための大切なことが…ないがしろになっているからかもしれないなと最近思うのです。

旬の食材は美味しいけれど、たれのようにいつも同じ味ではありません。
同じニンジンでも甘みの強い、弱いがある。形も様々。
掃除機で掃除したら数分だけど、雑巾がけは時間もかかる、体力も使う、そして汗もかく。
そんな変化を自分の体で感じることに意味があるのかもしれない。



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