本・映画

最強の85才を見て思うこと。

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今日はGWに見た映画の話を。
GWは、コロナですし、娘も幼いしでどこへも行かず、家の中で過ごしました。
行くところといえば、娘を連れて近所の公園程度。
GWに限らず、娘が生まれてからはおうち時間が続いている我が家です。
たまには夫とデートに行きたいなという気持ちはあっても、身近に頼る人もいない我が家にはちょっと難しい。
そこで、GWは再びNetflixに加入して、娘が寝た後映画を見ることにしました。
映画を見るのも久しぶりだったので、なかなか良いGWとなりました。

そこで今日紹介するのはGW中に見た『RBG 最強の85才』というドキュメンタリー映画。
RBGって皆さまご存知ですか?
私は娘が生まれてすぐのまだTVを見ていた頃に『町山智浩のアメリカの今を知るテレビ』を見て初めて知った人なんですけれど、ルース・ベイダー・キンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)最高判事のことです。
アメリカの最高判事の名前なんて、今まで知りもしませんでしたが、TVを見て少し興味がわき、今回Netflixで映画を見つけたので見てみると…
ものすごい方でした。

予告編はこちら↑
ドキュメンタリー映画にありがちな淡々と進むために感じる退屈さはありません!
予告編にも使われているすごくノリの良い音楽が映画全体を盛り上げています。
アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされているんですよ。

ものすごいというのは、本当に語彙力ないなと思いますが、何から話したらよいやらわかりませんが本当にすごいのです。
女性は家で家事が当たり前の時代に、大学へ行き、ロースクールへ進み、子供を産みながら、夫の看病や夫の勉学の手伝いをしながら、自身の勉強もおろそかにせず、優秀な成績を収めているのもすごい。
今より男女平等が実現できていなかった時代に、性差による不平等があるとも思われていなかった時代に、1つ1つ弁護士として裁判官として、男女平等の未来に尽力してきたのはもちろん。
今はお亡くなりになられていますが、映画がつくられた当時85歳でまだ現役バリバリで多忙な最高裁判官の仕事をこなしていたのもすごい。

凄い凄いと言っていますが、この映画を見て私が感じたのは、RBGすごいな…というだけではなくて、彼女が戦っていた法の下の平等についての考え方に深く感銘を受けました。
というのは、私が常日頃感じていたモヤモヤの原因がこの映画を見て分かったからです。
LGBT、人種、障害の有無、学歴、性別…あらゆる“差”が差別になっています。
それは、汚い言葉で揶揄されるとかそういうことだけではなくて、もっと当たり前になっている日常にもマイノリティ側の視点に立ってみると、不平等だと感じることは多いということ。
私は女性ですから、やはり男女の差については不平等だなと思うことがある。

結婚前夫と話したことがある。
夫と私は遠距離恋愛だったので、結婚するとなれば、どちらかが会社を辞める、もしくは転属しなければなりませんでした。
私たちは以前からブログでも申していますとおり、本当の理想は妻も夫も働き、一緒に家事も育児もするスタイルです。
しかし、お金が沢山あっても時間にゆとりがなくなるのは嫌でした。
イギリスでは、17時、18時に仕事が終わるという話を聞いたことがありますが、正に私たちの理想はそのイギリス流の働き方でした。
日本では、キャリアを積みながら、17時に帰るという企業は稀です。
実際、私が以前勤めていた会社ではちょうど忙しかった部署だというのもありますが、基本的に20時くらいが仕事終わり、時には22時になることもありました。
24時近いことも…あったな(;^ω^)
夫も同じです。
夫も私もこのペースで働けば、金銭的な心配はないかもしれませんが、何のためには働いているのかわからない状況です。
そこで、私たちはどちらかが家事、どちらかが仕事という昔ながらの分担制にしようという話になりました。

夫は、私がキャリアをあきらめないように私ではなく、夫自身が辞めようかと言ってくれました。
けれど…わたしはその申し出を断ってしまいました。
それは、その当時怖かったからです。
結婚するとなると、いずれは出産し、子供を育てることになるかもしれません。
出産、育児はどうしてもキャリアがストップしてしまう時期です。
もちろん結婚しても、出産してもバリバリ働いている方は大勢いらっしゃいます。
それはわかっていますが、その時にもしかしたら今の会社は、より楽なポジションへ配属するかもしれない…つまり、出世はできなくなるのではないか。そう思ったのです。
出世欲は元々なかったけれど、一家の大黒柱となれば話は別です。
実際私の働いていた会社は、結構先進的な考えの会社で、女性も沢山働いていましたし、中間管理職の女性も多かった。
けれど、やっぱりトップとその周辺は男性ばかり。
そして、管理職の女性たちも独身の方ばかりでした。
子供のいる、時短勤務の女性管理職はいたにはいたのかもしれませんが、私は知りません。
つまり、いたとしてもかなり少なかったと思います。
会社のトップにいる男性陣は、その逆で既婚者ばかりです。

おかしな話です。
けれど、日本では…いや世界の多くの国でも結構普通の話ですよね。

だから怖かった。
出産して、キャリアがストップしても家族を養えるの?と。
RBGの映画を見て思ったのですが、出産がマイナスイメージになると思ってしまうというだけで、やはり男女平等ではないのだなぁと思いました。
今の日本は女性の活躍の旗を掲げて、昔よりずっとずっと女性が働きやすくなりました。
以前私が働いていた会社にもありましたが、時短勤務ができたり、育休の取得に前向きだったり…
企業のリクルートのページには、そういう文言が並ぶようになりました。

でも、それもなんだかモヤモヤしていました。
なんだか違うんだよなーと。
そのモヤモヤの原因が、このRBGの映画を見て、晴れた。
女性向けに、「時短勤務ができます!育休取得できます!」というのは、女性が働きやすいような施策をしています、女性にやさしい企業ですというアピールです。
けれど、本当に男女平等であるのなら、男性に向けてもアピールしてほしい。
実際には男女ともに取得できる制度であっても、育休取得しやすい、時短勤務できるなどのメッセージはいつだって女性向けのメッセージ。
(雇用現場における)女性の活躍を謳うなら、男性も、女性も育休取得できます、男性も、女性も時短勤務ができますというべきなのではないだろうか。

なぜ女性が働きづらいかというと、育児、家事、介護など「ケア」の部分を女性が多く担うから。
賃金に換算されない「ケア」の仕事を多く抱え、もしくは将来抱える可能性が高いから。
この「ケア」の部分が女性の役割と限定されず、それぞれの家族の価値観によって男性が担ったり、半々で分担したりできるように選択できることが平等なのだろうな。

一部の企業は男性の育休も積極的になり始めたけれど、まだまだ大部分は難しい。
夫の会社も、育休取得は可能だが取得者はかなり稀だし、多分時短勤務している男性もいないんじゃないかな?
そうなると、今私が仮に働いていたとしたら、私が時短勤務することになるだろう。
夫婦でどんな形がベストか話し合う以前に、男性だと(夫の会社だけでなく多くの会社で)時短勤務、育児休暇の取得が(空気的にも)厳しいことで自動的に決まってしまう。

私が、出産したらキャリアはどうなるのだろうか、もうキャリアはあきらめなければならないのだろうか…と不安になったのと同様に、多くの男性は育休取得したら出世できないかもしれないと思っていると思う。

性差で区別することは、多くの場合女性に不平等が生じるけれど、実際には男性もその不平等を抱えることになる。

RBGの映画でも、男性の弁護をしているシーンがあった。
その男性は出産の際に妻を亡くし、シングルファザーになった。
一人で子供を育てなければならないから、仕事はできない。
なのに、その当時シングルマザーには支給されるのに、男性に一人親手当の受給資格がなかったのです。
女性解放のため尽力していたRBGがこの裁判の弁護をしました。
そのときにRBGが言った「性差別は万人を傷つける。」という言葉に、あぁそうだなぁと納得。
男女平等というと、女性のための施策を考える傾向にありますが、そうではないのですよね。
男女ともに、望み、その能力があるのならする権利、しようと決める決定権があることが大事。
男性だから、女性だからと区別なく、男性ができる、すべきと思われていることは女性も能力があればできる環境に、女性ができる、すべきと思われていることは男性もできる環境に。

娘が大人になる頃には、そんな考え方が普通になっていればいいなと願うばかり。
映画できいたRBGの言葉で一番共感したのがここ。

男性と平等であるために重要なのは女性が自分で決断を下せるかどうか
自己決定は女性の人生や尊厳の核心にあるものです
政府がその決定に干渉するなら女性を責任ある大人として扱わないことになりますし、判断力を奪ってしまう。

映画『RBG 最強の85才』より

RBGは法律のテリトリーで活躍していますから、「政府が」と言っていますが、これあらゆる人に当てはまりそうです。
私は中学高校の頃、過保護な私の親に対して同じように思っていました。
言葉はすごく稚拙ですけれど、「このままでは何も考えられないバカになる」って思っていたのです。
まだ子供でしたが、責任ある大人になりかけの時期ですから過剰な保護に反発していました。
会社で働く方も、もしかしたら同じように思う瞬間があるかもしれません。
それは、会社の上司や職場の雰囲気が「言われたことやってればいい」という環境ですと、どんどん思考力が奪われていくように感じます。
これもまた責任ある大人として扱わないことになるし、判断力が本当に奪われれう。

RBGの言葉がこんなにも多くの人に共感するのは、個別のケースだけを取り上げて、強い言葉で反論するのではなく、普遍的な価値(例えば自分で決定することの重要性など)に訴えて、その差がおかしいと訴えているからなんだろうなぁ。
アメリカでは最高判事なのに若者からも大人気なんですよ。

お時間あれば、ぜひ見てみてください。



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