今更ではありますが、『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』を読みました。
私は上手くできない家事を何とかしたくて、簡素な生活を目指しています。
簡素な生活を目指す上で不要なものもどんどんそぎ落としていますが、私自身のことをミニマリストだと思ったことはありません。
やっぱり最小限というのが、ハードルが高いのです。
コップは1つではなく、紅茶にはこのカップ、緑茶にはこの湯飲み、カフェオレはこのマグ…というように選ぶ楽しさも満喫したいから。
そんなミニマリストには到底慣れないと思っていた私だけれど、この本を読むと「わかる!わかる!」と共感しまくりの私がいます(笑)
本にこんなことが書いてある。
このところが一番共感したところかな。
ぼくは、ぐるぐるしている重いパソコン
ぼくは「処理中」のアイコンがぐるぐるしている、あの重いパソコンだった。新しいことをしたくても、データは満載、同時並行にやることも多すぎてフリーズ寸前だから軽い作業しかできない。
『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』より
これに深く共感。
結婚してライフスタイルが急に変わって、今までやっていた家事のやり方もすべて変わった。
料理一つとっても、今まで作らなかったがっつり肉料理や揚げ物を作るようになった。
買い物1つとっても、買うものが変わった。
私の生活はOLから専業主婦という、世間から見れば大変な生活から楽な生活へのライフチェンジをしたわけなのだけど、実は全然楽ではなかった。
たしかに、時間的余裕は増えた。
けれど、毎日考えることが、試行錯誤することがたくさんあった。
例えば給料の使い方。
どれくらいの金額内に食費を収めるべきなのか、コスメはどの価格帯のものを買えばいいのか、洋服はやっぱり汚れてもいいような楽で安いカジュアル服なのかな…といったものを買う基準。
例えば、料理。
栄養バランス、夫の好み、予算内に収めること、冷蔵庫の在庫、バリエーションなど…今まで自分が食べたいものを食べに行ったり作ったりしていただけなのに、急にたくさんのことを総合的に考えて作らねばならなくなった。
夫と私の考え方はいろんな点で異なっていたので、生活のあれやこれや、文字にすれば「なんだそんな小さなことか」というようなあれこれについて新しいやり方を模索しなければならなかった。
そうすれば、まさに本にある重いパソコンのように私はフリーズしてしまって、
頼れるものはモノに頼った。
考えもせず、広告のうたい文句につられてあれこれ沢山のものを買った。
これでうまくいかない色んな事が解消される・・・とそうおもったのです。
でも結果は、重いパソコンにさらにいろんな処理を要求して、さらに処理速度を遅くするだけでした。
専業主婦になって、ひとにも合う頻度がすっかり減ったから馬鹿になったのかと不安になりましたが、同時に考えてることが山積みだっただけ。
ちょっとずつモノを減らす方向にシフトしていって、そしたら時間ができて、フリーズすることもなくなってきた。
新しいことにチャレンジできる時間が増えて、以前は「なんで私はできないんだ」とネガティブな私を夫が「大丈夫。なんとかなる!ちゃんとできてる。」と支えてくれていたのが、最近は私の方が「ちゃんと考えれば何とかなるわよ。やりたいことやろう、楽しく生きよう」なんて言ってる。
夫も「いやもっと現実的に考えたらさ…○○した方がいいよね?」と行き過ぎる私にブレーキをかけてくれますが、議論の最終結果がポジティブになってるのに驚く。
以前は、二人して否定的だった。
どちらかが「こんな生活もいいね」と夢を語れば、「ほんとにできればいいけどね~」とか、「お金持ちくらいしか無理じゃない?」とか、「でも」「だって」とか「そんなことしたら」とか「その代わり」とか否定的なことばかりが目に付いて、将来を考えるとちょっぴりネガティブな気持ちになったもの。
けれど、少しずつ身軽になったら、時間も心の余裕もできて、新しいことにもチャレンジできた。
今まで無理だと思えたことが、一歩踏み出してみると意外とできることに気が付いた。
出来るかできないかではなく、やるかやらないか。
踏み出すか、踏み出さないか。
凝り固まってちゃいけない。
私たちらしい暮らしを追求すれば、きっと満足度は高いはず。
「やればできる」そういう気持ちを再認識させてくれた本でした。