娘の成長が光のスピードに感じます。
そんな娘の成長に合わせられるようコツコツコツコツ用意していたものがありました。
それが・・・牛乳パックの椅子です。
何を見ていて知ったのか忘れてしまいましたが、牛乳パックで六角形の椅子が作れることを知り、これは娘が立てるようになったら、洗面台の前に踏み台として置いておけば、手洗いの際などに役に立つぞ!と思ったのです。
早速ネット検索してみますと、牛乳パックは24本必要なようです。
夫は牛乳嫌いですし、我が家はジュースや紙パックの紅茶なども買いませんから、純粋に私一人で牛乳を飲み、その分のパックをストックすることになります。
牛乳を飲むこと自体は問題ないのですが、飲み手が一人ですので、時間がかかります。
一体何か月かかったのでしょう・・・
24本ですので、大体週に1本飲んだとして、24週。つまり、6か月…半年!
そう半年かけて牛乳パックを集めたのです。
早めに動いたことが吉となり、娘が立ち始めたころには材料は準備万端。
ようやく重い腰をあげて、1本1本裁断し、ガムテープで張り付け、途中わが家のガムテープは紙製だったのでくっつき具合がイマイチ(わかってはいましたが、家にあるもので作れるというところに魅力を感じていたので、わざわざ何かを買い足さずに作っていました。失敗失敗。)だったので、100均でビニールテープを調達。
ようやく六角形に形を整えられた牛乳パック椅子。
カバーに使おうと思っていたシート(最初は、家にある布でカバーを作ろうと思っていたのですが…(笑))も購入し、後はそのシートを張り合わせるだけの段階になったモノを…
捨てました。
え!!!( ゚Д゚)
なんでかというと一番の決め手になったのは、お風呂椅子です。
ふと気づいてしまったのです。
わざわざ牛乳パック椅子を作らずとも、我が家にはもう踏み台になりそうなちょうどいい椅子(お風呂椅子)があることに。
しかもその椅子の置き場は、洗面台のすぐ近く。
汚れてもお風呂でさっと流せる、乾かせる。
使い勝手いいじゃないか。と。
あとですね・・・これを言うと話にならないのですが…
作るのってすごく面倒だったのです。
牛乳パック椅子を知って、すごく使い勝手よさそう!娘に必要そう!と思っていました。
これを作ることによって、ゴミになる牛乳パックが再利用されるし(エコだ!)、一時的にしか使わないものを買わずに済むし(エコだし、節約だ( *´艸`))いいことづくめと思っていました。
けれど最初の24本集めるところから、私の気持ちは急降下していくのです。
まず、我が家はスペース的に今の私たち家族にピッタリの家です。
もっと言うならば、モノを減らして、減らして、ようやくぴったりになってきた家です。
24本もの牛乳パックを余分に置くスペースなどないのです。
そうなれば、リビングやキッチンに余分な牛乳パックが保管されることになり、日常的に椅子に生まれ変わるはずの(ゴミ)を目にする羽目になり、なんだか落ち着かない空間になりました。
24本たまるまでは使わないからと押し入れに入れてみても、我が家では押入れをテーブルのように見立てて、アイロンをかけたりしますから、なんとも使い勝手が悪い。
24本の牛乳パック分の余分なスペースがないために、せっかく減らしてすっきりしてきた我が家が、牛乳パックがたまるにつれて…雑多になっていきました。
はぁ・・・
そして、次なるは24本たまった後です。
平日は初めてのワンオペ育児でへとへと。
休日は夫もいますが、夫も平日は夜遅くまで仕事、休日は育児と休む間もがなくへとへと。
そんな中で牛乳パックの椅子を作る気力はなく、むしろ他にやらねばならぬことがいろいろあって、どんどんどんどん後回し。
ちょっと時間ができると娘と遊ぶ時間に回してしまいますし、娘が寝た後に時間ができると、疲れてバタンキューになっているか、読書やブログをしているかでやっぱりどんどん後回し。
そんな後回しの期間が長くなるにつれ、牛乳パックを見ては「やらなきゃ・・・」といういやーな気持ちが芽生え始め、見るたびに気持ちが急降下するようになりました。
スペース的に余裕がない我が家でしたが、私の気力、体力、時間的にも牛乳パック椅子を作る余裕がなかったのですね。
今思えば脱衣スペースが狭い我が家。
なんとか床スペースを広くしたいと思っているのに、椅子を置くのは正直邪魔だなぁと思っていたのかもしれません。
娘に必要そう!と思いこんでいたけれど、一方ではミニマリスト的思考が働いて、本当にこんなものいるんかな?って思い始めていたのかもしれません。
本当に必要なモノだったら、買ったっていいのでは?とも。
そうやって、うだうだ考えているうちにお風呂椅子が目に入ります。
使い勝手がよく、モノの量も増えず、新たにお金をかける必要がない。
制作にかかる時間も労力もない。
作ろうとしていた牛乳パック椅子よりエコでミニマルで節約になって、いい選択肢じゃないか!と気付きました。
頭をガーンとたたかれたような衝撃です。
せっかくここまで作ったのに、ビニールテープも買ったのに…とは思いませんでした。
よし!もう牛乳パック椅子作るのやめよう!とすごくすっきりした気分でした。
その時私は、お風呂椅子のほうがいい選択肢だと気づいただけではなく、自分で自分の作りかけている牛乳パック椅子が気に入っていないことにも気づいたのです。
牛乳パックを集め、工作する過程でネガティブな気持ちばかり感じてしまった牛乳パック椅子を「お気に入り」とは思えませんでした。
それを見るにつけ気分が下がるモノになってしまっていました。
こんまりさん流でいうとときめかないものですね。
それに、「必要そう」と安易にモノを増やそうとしていた事にも気づきました。
こんなにミニマルライフを始めてものを手放すのが大変で、こんなに多くのモノが「必要そう」と思いこんでいたから持っていただけだと知ったのに、また私は増やそうとしていた。
モノとの付き合い方とはほんと難しいです。
牛乳パック椅子を捨てたその次の日に竹内清文さんの『8割捨てればうまくいく!人生を変えるガラクタ整理法』を読みました。
その本にはガラクタについてこんなことが書かれていました。
そもそも、何をもって「ガラクタ」と呼ぶのでしょうか。そのことからお話ししたいと思います。
『8割捨てればうまくいく!人生を変えるガラクタ整理法』より
カレン・キングストンは、次の4つに当てはまるものは、すべてガラクタであると定義しています。
①使わないもの、好きではないもの
②整理されていない乱雑なもの
③狭いスペースに無理に押し込んだもの
④未完成のもの
この本は、ガラクタ整理術とスペースクリアリング分野で有名なカレン・キングストンの理論をベースに書かれています。
これを読んだとき真っ先に前日に捨てた牛乳パック椅子を思い出しました。
牛乳パック椅子は、今は使うことがなく、好きではない。
牛乳パック椅子を置くスペースが確保できていないし、制作途中の牛乳パックも保管する場所もなく、整理されていない乱雑なものだった。
作り終わったら、置くと邪魔になるのに狭い洗面台に置こうとしていたし、制作途中の牛乳パックもリビングやキッチンのあちらこちらの隙間スペースに無理やり置いていたし。
何より…未完成だった(笑)
この4つに当てはまるどころか、この4つ全てに当てはまっていたのです( ゚Д゚)
ネットなどを見ていますと、おしゃれな布カバーをつけたりして、牛乳パック椅子を重宝している方もたくさんいらっしゃいます。
とても便利で使える!という前向きコメントも沢山あります。
けれど、私にとってはガラクタ中のガラクタだったようです。
何をガラクタと感じるのかは、本当に人によるんだなぁ…
あーむずかしい。むずかしい。
初めて育児は、やはりこういう「必要そう」がいつもより出てきがち。
きっとお買い物の失敗も今後沢山あるでしょう。
失敗も「せっかく買ったから」「高かったのに」と失敗を認めず、ズルズルと持ち続けるのではなく、潔く失敗は失敗と認めて次の糧にして、失敗したものはすぐに手放せるような素直な自分でいたいものです。
失敗をずっと持っていて、いつしか成功に変わることなんて稀ですもんね。
ちなみに…竹内さんの本によればガラクタにはエネルギーを「下げる」働きがあるそうです。
たしかに、私も牛乳パック椅子になるはずの牛乳パックを見ても、買い足したビニールテープやシートを見ても、「はぁ・・・(*´Д`)」でした。
とても気持ちが萎えていました。
だからなのか、手放すときは本当にスッキリした!
ガラクタパワー恐るべしです。