器の話の続きです。
我が家は基本的に食器は夫と選びます。
娘はまだ0歳。
器選びのスタートラインにも立てていませんが、もう少し大きくなったら一緒に選びたいなぁと思っています。
器はなんとなく奥様が一人で選んでいる家庭が多いのではないかなと思っているのですが、どうでしょう?
そう思うのは、私の実家で私が母や父と一緒に器を選んだという経験が…ないからです。
元々器は大量にある実家。
そこに祖母の家の器が大量にプラスされ、さらに大量の器があります。
床から天井まである作り付けの食器棚が2つ分。
ちゃんとしっかり食器やタッパーなどで埋まっています。
それだけたくさんの器があっても、私が選んだ!と思える器って…ないと思う。(たぶん)
現在帰省した時に私が使用している飯椀は、もともと祖母の家にあった飯椀。
だから祖母が選んだモノ。
一緒に住んでいた頃は、それとは違う私専用の飯椀があったと思うのですが、あれは誰が選んだのだろう。
きっと母ですね。
母が結婚したころの時代は、結婚と同時に婚礼ダンスやなんだかんだといろいろ必要なものを新しくそろえるような時代でしたから、きっと大抵の食器は私が生まれる前にそろっていたのでしょう。
母に改めて尋ねたことはありませんが、きっと家族が増えた時のことも考え、お客様が来た時のことも考え、4~5枚のセットのお皿やグラス、カトラリーを選んだのだろうなぁ。
もしくはもらったんだろうなぁ。
だからか実家には5枚セットの器が本当に多いんですよ。
家族は4人なのに。
頂きものか選んだのかは知りませんが、セットには同じ器で統一された食卓、収納しやすさ、割れた時の予備になるなどのメリットはありますが、デメリットも当然ある。
サイズが選べないのです(笑)
同じ家族でも、夫と私の食べる量は全然違う。
夫に合わせて器を買えば、私にはとっても大きすぎ。
私に合わせて器を買えば、夫には小さすぎ。
セット商品で、家族みんながぴったりのサイズってことはなかなかない。
前回の記事に書きましたけど、サイズは大事です。
あと色やテイストの好みもお互い違うから、誰か一人がすべての食器を選ぶのって難しい。
だからいっそみんなで選ぶ。
一人一人0から選んでしまうと、あまりに食器がバラバラで盛り付けるのも、収納するのも大変になっちゃうから、我が家では食器の種類は統一にして、色やサイズは各々選んでいます。
だから、こうなります。
左が夫が選んだ薬味皿、右は私が選んだお皿。
sobokaiの古拙シリーズの薬味皿。
カラーは、 御本 (白) 、織部 (緑)、黄瀬戸(黄) の3色ありました。
夫は迷わず 御本 を選び、私は黄瀬戸と散々迷って織部にしました。
今回娘がいるので、器を触って割ってはいけないとネットで注文したのですが、それでも家族で器を選ぶっていいなと思いました。
それぞれサイズが違う、好みが違うなどと言ってきましたが、何より一緒に選ぶと楽しいです。
今回器を選ぶときも「そのカラー選ぶんだ!意外!」などと話をしながら楽しく選びましたし、実際に器が到着してからも、「やっぱりこの色…好きだな」「私もこの色にしてよかったー」とかまた話に一花咲いて。
・・・楽しいです(笑)
私がミニマルライフを始める前にこんな暮らし素敵だな…と思った本があります。
それはそれは有名な「フランス人は10着しか服を持たない」なんですけれど、素敵だなと思ったポイントの一つが食卓のシーン。
美味しく食べて栄養を取りたいと思うなら、食に対する姿勢はとても重要。マダム・シックの一家は、食に対する姿勢がとても健全でポジティブだった。
『フランス人は10着しか服を持たない』ジェニファー・L・スコット
(中略)
家族そろって夕食のテーブルを囲むときには、食べている料理や食材のことがあれこれ楽しい話題になった。
「このワイン、あの地方のワインだって知ってた?」
「このソースの決め手はヘビークリーム(乳脂肪30%~40%のクリーム)よ!」
「このタルトのアプリコットはとってもジューシーだね」
「そうね、このタルトは近いうちにまた作りましょう」
アメリカだと太りそうなどネガティブなことを考えがちだけれど、筆者が出会ったフランスの人は心から食事を楽しんでいたという話。
これを素敵だなと思ったのです。
せっかく美味しいものを食べても、せっかく時間をかけて料理を作っても、TVを見ながらだったりすると、美味しさは半減…というか記憶に残ってない。
夫は嫌いな食べ物は山ほどあるけれど、おいしいものを食べている時は、料理に対していろいろ興味がでるようで、「この魚なんていう魚?」など聞いてきます。
それは料理だけでなく、お酒だってそう。
これ美味しい!となると、どこで作られたやつなのかとかチェックしている。
そしてお酒を飲む用のグラス(ロックグラスやショットグラスやワイングラスなどなど)は夫が選んで買ったものなのですが、よく「グラスがキレイ」だとか、「これで飲むと美味しい」など言っております。
だからきっと「フランス人は10着しか服を持たない」の本には書かれていなかったけれど、器をこだわるのも食に対する姿勢をポジティブにする秘訣の1つだ。
色も形も材質もサイズも和食器はバラエティに富んでいて、料亭などでは食器で四季を演出したりもするから、日本人ならではの感覚なのかもしれないけれど。
器が気に入った器であれば、料理を盛りつけるときもちょっと丁寧に盛ろうとするし、気に入った器なら夫がグラスをしげしげ眺めて「これで飲むとうまいわ」と言うように、「これで食べると」美味しさアップなのです。
私などは、盛り付け中や食べている時に「この料理…この皿に合うなぁ」なんて思っちゃうし、たまに思うだけでなく言ってる。
そうして食事中の会話も増える。
マダム・シックの家では、料理や食材が楽しい話題だったそうですが、器やグラスも楽しい話題になる。
ちなみに今回買った薬味皿は、薬味皿なのでもちろんお醤油やお塩を入れるお皿なのですが…ひそかにナッツを入れて食べることを夢想しています。
たまにおやつに食べるナッツ。(今は切らしてないけれど…涙)
絶対あの薬味皿に合う!量も食べ過ぎなくてちょうどいいサイズ!
美味しく食べて栄養を食べたいと思うなら、それは食材選びから…いや器選びから始まっているのかもしれません。
さて、器の話も次でラスト(の予定)です!