最近娘を見て思いなおすことがあります。
娘は絵本が大好き。
確かに毎月新たな絵本を購入はしているのですが、新しい絵本ばかりを読みふけると言う訳ではなく、ずっとずっと前に買った…0歳の時に買った絵本を今でも何度も何度も繰り返し読むのです。
なので、私も娘も持っているほとんどの絵本のタイトル、作者、そしてもちろん絵本の中身までそらんじれる。
私も本が大好きな子どもでした。
だから、この世にあるすべての本を読みたい!なんて思っていたっけ。
美女と野獣で見る図書館は壮観で。
こんな図書館を家に作れるなんて素敵だと思っていた。
だから本を買ってもなかなか売らず、実家にいるときも一人暮らしをしていた頃も本の数は増えるばかり。
けれど持っていた本のどれくらいを本当に自分のものにしていたかは疑わしい。
持っているだけで、中身を忘れてしまった本もたっくさんあったのです。
ミニマリストになって、本をどんどん手放した。
それでいよいよ分かったのは、私は読んでいる瞬間はとても楽しいのだけど、それだけだったということ。
娘の絵本は、まだ小さな子供用の絵本ですから人生に役立つようなお話や知識が満載の本ではない。
ただ「ぷぷぷ」とかそういう擬音だけの本だってある。
こんな絵本の中身を覚えて、著者を覚えて、今後の人生に何か役に立つのかと言えば、きっと役には立たない。
そして成長したら忘れてしまう様なもの。
だけど、言葉を発する、言葉の意味を知るという段階の娘にとってはそれはきっと重要な教材だと思う。
だから娘は同じ絵本を読みたがる。
意味が分かるまで。
娘だけでなく、子どもはそうなのだという話を聞いたことがあります。
その子供の性格によって興味の方向や強さは違うかもしれませんが、動く必要があるから動く、寝る必要があるから眠る、食べる必要があるから食べる…何度も読む必要があるから読む。
自分に必要なことがわかっているんだそうです。
言葉を身につけたいから、何度も読むんだろうな。
そういえば語学を磨くには、ただ漫然と聞き流すよりも同じ文章を何度も何度も聞き、読みこみ、音読するのが良いと言いますね。
私は学生の頃、同じ文章ばかりなんて飽きてしまって、とりあえず英語のラジオを聴いたり、外国のドラマを見たりしたけれど…一向に身につかなかったのは、なんとなく見ているだけだったからか。
一度見たら次のドラマに移っていたしね。
好きな本、好きな映画を何度も何度もセリフを覚えるまで読んだり、見たりした方が語学習得には良かったのだろうな。
一度見ただけ、一度読んだだけでは理解が及ばないところもある。
だから何度も読んだ本の理解度は、記憶は、1度だけ読んだ本に比べれば2倍どころか100倍くらい違う。
人間関係もそうですね。
始めましてで出会っただけの人よりも、長年連れ添ったパートナーのことの方が深く知っているし、絆も強い。
知識もそうですね。
流行りのテレビ番組もチェックしている、新しくできたお店にだってチェックしている、もちろん毎日新聞は読むし、いろんな本を読んでいるからクイズだって得意だという人は、どんな話題にも事欠かず、博識のように見えるけれど、毎日髪を振り乱して働くパティシエ以上にお菓子について知ってはいない。
そして仕事になるのは、例え流行りのテレビ番組を知らなくても、髪を振り乱してお菓子を追求しているパティシエだ。
今まで私はたくさんの友達がいたほうが良いと思っていたし、たくさんの色んな知識を持っていたほうがいいと思っていたけれど、最近は違う。
友達は数は少なくともちゃんと心から交友したい人だけでいい、知識だって色んな知識は必要ない。
興味のあることを深く掘り下げたほうがいいのだろうと思う。
あぁ。これもミニマリズムと一緒なのですね。
時間もあれこれ沢山のことをこなそうと予定をぎっちり使うよりも、本当に好きなこと、必要なことに注力して余裕をもって過ごす方が幸せで、お金もあればあるだけあれやこれやのモノに費やすよりも本当に好きなことに絞って使った方が満足度も高く、持っているモノも沢山あればいいわけではなく、たくさんあるより必要なものを必要な分だけある暮らしの方が暮らしやすい。
友達もきっと同じ。
沢山いればいいわけではなく、好きな、大事にしたいと思える人を目いっぱい大事にしたほうがいいのだ。
知識だってきっと同じ。
沢山あればいいわけではなく、必要なものに注力したほうがいい。
時間も有限、家の広さも有限、お金だって有限・・・そして脳の領域だって有限なのだから。
私はミニマリストだから、こちらの方が心地よいと思うだけかもしれないけれど。
なんだか今日は私の頭の中をそのまま記事にしてしまったような気がします。
脱線に注ぐ脱線になってしまって申し訳ない。
本については、たくさんいろんな種類を読もうとせず、もっと精読しようと思った今日この頃。
毎月10冊ほど新しい本を読んでいたのですが、新しい本はほどほどにしてすでにある自分にとって大事な本を読み返そうと思っています。
娘の様子を見て自身を振り返って見れば、そらんじられる本はありませんが、それどころか詳細に本の内容を覚えている本もほとんどなかった。
自信をもって内容を話せる本は3冊程度でした。
確かにその3冊は昔から繰り返し読んでいて、他の本が1~3回程度しか読んでいないのに比べて、その3冊は確実に10回以上読んだ本でした。
広く浅くよりも今後は狭く浅くを目指したい。