出産してから産後の体の弱り、そして慣れない育児、そしてそして…出産しても全然治らなかった妊娠性アトピーを理由に私は掃除をさぼっていました。
さぼっていると掃除をしていないようですが、そうではありません。
毎日掃除はちゃんとしておりました。
トイレをササッと拭いたり、床をササッと箒で掃いたり、浴槽をスポンジでこすったり…
そういう日々の掃除はしていましたが、そこに意識がなかったのです。
掃除をしなければ汚いので、とりあえずする。
とりあえず箒をもって部屋の端から掃いていく。
昔ならばとりあえず掃除機をかける。
でもね。
とりあえずで掃除した時って全然掃除できていないのか、きれいになった気が全くしないんですよね。
体力や時間などがなくて、床を掃除できなくても、とりあえずではなく1分しっかり蛇口を磨いてピカピカにした方がすごくきれいになった気がする。
自分も気持ちいいし、なんだか空間も清らかになった気がするものです。
15分とりあえず掃除機をかけるよりも、1分蛇口を磨く方がキレイになった気がするというのは不思議なものです。
先月末から私は早起きを習慣づけようとしています。
最初からとっても早い時間にするのはハードルが高いので、今月の目標は6時。
6時に起きる日もあれば、5時半、4時半の日もあった。
とにかく今のところ6時の目標は達成中なのですが、今まで7時に夫と一緒に起きていたので1時間早いだけで朝とってもゆとりがある。
あれもこれもするほど余裕はないけれど、トイレを掃除して、ご飯とみそ汁を作って、ゆっくりお茶を飲む時間はある。
5時半の時はさらにもう1,2か所掃除をして、本を読みながら夫用のコーヒーを入れたりする。
そんな時に掃除するのは、箒で床をざざーっと掃除するのではなく、窓の桟を拭いたり、蛇口や鏡を磨いたりそういうこと。
小さな場所で、毎日の掃除ではなかなかしなかったり、時間がなければ後回しにされるようなところ。
そういう場所を暇暇を見つけて、1~5分で掃除します。
その代わり、なんとなくざざっと拭くのではなく、丁寧に。
すると、前述したようになんだか家が清らかに見える不思議。
そして、もうすっかり日常の風景になってしまっていた汚れに良く気づくようになってきた。
毎日掃除はしていました。とりあえず。
でも、とりあえずの掃除はたった1か所丁寧に掃除するに劣るんだなぁ。
そうそう。とりあえず掃除していた頃は朝掃除をして、なんだか夕方になるともう汚れてきたような気がしていました。
小さい娘がいるから仕方ない。そういうものだと思っていました。
違った。
丁寧に掃除をすると、案外キレイをキープできる。
多分それは丁寧に掃除することで埃や汚れがしっかりとれて、とりあえずで掃除をしている時よりもきれいになっているからだけではない。
徹底的にきれいにしているから、その後もきれいに使おうとするのだ。
昔読んだ本に、ゴミが散乱した上野公園を見た当時の首相佐藤栄作さんの言葉が載っていました。
その当時は、まだマナーとかモラルとかが今ほど叫ばれていなかった時代で、花見の時のゴミの量がいつも問題になっていたのです。
その時佐藤栄作さんが言った言葉がこれ。
「いまさら公衆道徳の欠如を批判してもはじまらないが、清掃人をもっと増やして徹底的にそうじすれば、自然に汚さなくなるだろう。そう東京都に伝えてもらいたい。」
『「衣食足りて礼節を知る」は誤りか』より
ゴミを減らそう!ゴミはちゃんと持って帰ろう!というよりも徹底的に掃除をしてキレイにした方が効果があるというのです。
これ家でも同じですね。
とりあえずで掃除している時は、「四角い部屋を丸く掃く」なんて言う言い方もしますが、四隅や隙間、見えにくい場所の掃除が行き届いていない。
または立ったままでは視認しずらい小さな汚れやゴミがそのままになっていたりもする。
そんな小さな汚れやゴミがさらなる汚れやゴミを呼ぶ。
ただ蛇口を磨くだけ。
だけど丁寧に磨いた蛇口はきらりと光って、美しい。
その徹底的にキレイな一か所があるだけで、そこに住む私の意識が変わる。
「あ、シンクもちょっと曇ってるな」「窓の桟に土埃がたまっているな」と気付くようになる。
そして、またシンクも窓の桟もきれいにする。
するとまた意識が変わる。
もっときれいにしておこうという気持ちが湧く。
とりあえず家全体を掃除しても、全体的に中途半端な掃除になってしまう。
もちろん家中を毎日ピカピカにすることは難しいから。
まずは1か所必ずここはピカピカにするという場所があるといいのかも。
私はまずはキッチンの蛇口。
だって1日5回以上はキッチンに立っているんだから。
私が一番使っている部屋はキッチンだから。
時間がなくても、疲れてもいても…蛇口だけピカピカにしようと挑戦中です。