このGWは、ずっと読みたいと思っていた『チープ・シック』という本を図書館で発見し、読んでいました。
『チープ・シック』という本の存在を初めて知ったのは、ブログを始めてから。
独身時代は、なんとなく洋服を買いに行き、お店で「素敵!!」と思った服を買い、それがすぐに「微妙」に変わり、また新たにお店で「まぁ素敵!」となる服を見つけるというその繰り返しでした。
だからたくさん服を持っていたし、たくさん服を捨てていた。
結婚して、服にあまりお金をかけられなくなった私は、ファストファッションの服を数着買った。
今まで以上に「微妙」だった。
お店に入って買う時さえも…「素敵!」とはならず、「まぁこれなら着れる」とそんな感じ。
おそらく、テイストが私の好みとあってなかったのでしょうね。
あと人が沢山がやがやしている中で、プラスチックのハンガーに同じ服がぎゅうぎゅうにかかっているのも、味気なくて…
それも買う時すら心がウキウキしない要因の1つ。
それでファストファッションで買うのをやめたのですけれど、かといって高い服には手が出ません。
それにバリバリ朝から晩まで働いていたライフスタイルから一転専業主婦に変わって、そもそもどういう服を求めているかもわからなくなっていました。
そうした中で、ブログを始めて、ブログの中で手放した服のこと、買った服のことを熟考するようになって。
今までファッション関連は雑誌くらいしか読んだことなかったけれど、多くのファッションの本も読むようになりました。
読んでいた本は、コーディネートがたくさん載っているスタイルブックではなくて、その人なりのファッション哲学が書かれたような文字ばかりの本を読んでいました。
そうした本の中で・・・(どの本かはすっかり忘れてしまったのですが)何十年の時を経ても全然古くないファッションバイブルとしてちらっと『チープ・シック』の言葉が書かれていたのです。
私がそれまでに買っていた服は、1年、2年、長くても4,5年経てば、なんだか時代遅れのように感じる服が多かった。
それなのに、その本は何十年たってもおしゃれな人たちの中でバイブルとして君臨し続けている…
どんな本なのだろうとすごく興味がわきました。
サブタイトルとして、「お金をかけないでシックに着こなす法」とありますが、読んでみれば決してファストファッション万歳!と言う訳ではないのです。
1977年に…つまり40年以上も前に第1版が発行されているのですが、この本にかかれていることは、たしかに全然古臭くない!
中にはレオタードとか、たしかに今はもう着ないよね…という服も載っていたりするのですが、着用回数で服の値段は考えることや、ベーシックが基本の基本としていることや、ファッション業界のマーケティングに振り回されない服の着方など今現在に生きる私たちも「うんうん」とうなずける内容も多い。
バイブルになっているのも納得です。
この本の中で一番言いたいことは、「自分がわかっていないとおしゃれなんてできない」ということなのだと思う。
結婚してライフスタイルがガラッと変わって、私は何を着たらいいのかわからなくなった。
その後ブログで、手放した服や買った服について、なぜ手放したのか、なぜ買ったのかを熟考していって、やっと最近「私はこんな服が着たいのだ」というのがわかってきた。
どういう服が一番自分を素敵に見せるのか、どういう服を着れば心躍るのか、それは自分にしかわからないこと。
誰だってそうだと思いますが、ファッションにかけられるお金には限界があります。
私の場合は専業主婦ですから、独身時代よりもさらに厳しく限界があります。
けれど…
一気にたくさんの服は買えないから時間はかかるけれど、きっと私は独身時代より満足できる服に出会い、いつも心躍る服を着ることができるのではないかと思っています。
それも、このブログでこのスカートはここがダメだった、あの服はこの点が良かった、とあれやこれやと服と真摯に向き合って、自分がわかってきたからだと。
最近買ったコートやスカートに失敗がないのは、やっと自分がわかってきたからなのだと…この本を読んで気付きました。
本の序章で書かれている言葉。
ありとあらゆるファッションにいつも取り巻かれている私たちは、あれやこれやとただやみくもに買うだけです。自分の基本的なスタイルとか、どんな服が自分にとって本当に必要なのかということを全く考えなくなっています。
『チープ・シック』より
しっかりとした主張のある、素敵な装いをしていると、気分が高揚してきます。くだらない服をごちゃごちゃと持つのをやめにすると、生き方まですっきりとしてきます。自分自身を喜ばせるために、服を着てください。うまくいったときには周りの人たちもそんなあなたにうれしくなってきます。
断捨離、ときめき片付け、ミニマリスト…などモノを少なく、こだわりを持ったライフスタイルは最近になっての潮流です。
けれど、上の文でわかるように40年も前に出された本の中で、もうすでに現在と同じような考え方でモノを選び、おしゃれを楽しんでいた人がいて、その人のファッション哲学が今を生きる我々もおおいに共感できる。
社会情勢も、流行の服も全然違うはずなのに。
流行や最新のファッションではなく、自分を表すファッションは本当に時代を超えて美しいものですね。
そんなおしゃれを私も楽しみたい。